「明石焼き」は兵庫県明石市発祥の卵料理で、地元では「玉子焼き」と呼ばれています。外はふわふわ、中はとろりとした食感は、たこ焼きとは一線を画す独特の美味しさです。だし汁につけて食べるスタイルも、大阪のたこ焼きとは異なる上品な魅力です。
本記事では、明石焼きの歴史、たこ焼きとの違い、そして自宅で再現できるレシピを詳しく解説します。
明石焼きの歴史と「玉子焼き」の由来 / 明石焼きとたこ焼きの違い / 自宅で作れる基本レシピ3ステップ / よくある質問と道具選びのポイント
明石焼きの歴史と「玉子焼き」という名前
明石焼きは明治時代に明石で生まれたとされています。農林水産省の「うちの郷土料理」でも兵庫県の代表的な郷土料理として紹介されており、地元では正式名称は「玉子焼き」です。「明石焼き」という名称は観光客や他地域の人が使う呼び名で、明石市民はほとんど「玉子焼き」と呼んでいます。
たこ焼きと同様に明石蛸(まだこ)を入れますが、生地の配合が大きく異なります。明石焼きは小麦粉よりも卵(全卵・卵黄)の割合が圧倒的に多く、じん粉(浮き粉)を加えることでとろけるような食感を生み出しています。ソースをかけずに昆布だし汁につけて食べるのも、明石焼きの大きな特徴です。
じん粉(浮き粉)は小麦でんぷんを精製したもので、生地に加えることで外はふっくら、中はとろりとした独特の食感が生まれます。スーパーでも購入できますが、見つからない場合は片栗粉で部分的に代用できます(食感は少し異なります)。
明石は播磨灘に面した漁港の町で、明石蛸は足が短くしっかりとした食感が特徴です。地元の明石焼き店では、この地元産蛸を贅沢に使っています。
明石焼きとたこ焼きの違い
| 項目 | 明石焼き(玉子焼き) | たこ焼き(大阪) |
|---|---|---|
| 発祥地 | 兵庫県明石市 | 大阪府(大阪市北区など) |
| 生地の特徴 | 卵多め・じん粉(浮き粉)使用 | 小麦粉多め・だし入り |
| 食感 | 外ふわふわ・中とろとろ(柔らかめ) | 外カリカリ・中とろとろ |
| 食べ方 | 昆布だし汁につけて食べる | ソース・マヨネーズ・かつお節 |
| 色 | 黄色っぽい(卵の色) | こんがりきつね色 |
| 主な薬味 | 三つ葉・ねぎ(だし汁に添える) | 青のり・かつお節・紅しょうが |
明石焼きをだし汁につけるスタイルは、玉子の風味とだしの旨みを一緒に楽しむためです。ソースをかけてしまうと卵の繊細な風味が隠れてしまうため、シンプルにだし汁だけで味わうのが本場流です。
基本レシピ:明石焼き(20〜25個分)
参考レシピ:農林水産省「うちの郷土料理」(兵庫県)と明石市の郷土料理解説をベースに、家庭向けにアレンジしました。
ステップ1:だし汁と生地を準備する
【だし汁】昆布10cmを水500mlに浸けて30分おき、中火にかけます。沸騰直前に昆布を取り出し、薄口醤油小さじ2・塩少々で味を調えます。冷ましておき、食べる直前に温め直します。
【生地】全卵3個・卵黄2個をよく溶きほぐし、水300mlを少しずつ加えて混ぜます。じん粉(浮き粉)30g・薄力粉30gをふるって加え、だしの素(かつお)少々・塩ひとつまみを加えて混ぜ、30分以上休ませます。
生地を混ぜすぎるとグルテンが出て固くなり、ふわとろの食感が失われます。粉が見えなくなる程度にさっくりと混ぜ、少し粉っぽさが残っていても大丈夫です。
ステップ2:具材を用意して焼く
ゆでだこ(足1本程度)を1〜1.5cm角に切ります。たこ焼き器(または専用鉄板)に油を薄く引き、中火で温めます。温まったら生地を穴の8割程度まで流し込み、たこを1〜2切れずつ入れます。ねぎの小口切りを適量加えてもOKです。
たこ焼き器の穴にしっかりと油を引くと、スムーズにひっくり返せます。油が少ないと生地がくっついて崩れやすくなります。最初の一回は特に多めに油を引くのがおすすめです。
ステップ3:ひっくり返してふわとろに仕上げる
生地の端が固まり始めたら(2〜3分後)、竹串や専用ピックで少しずつ剥がしながら回転させます。明石焼きは全体をこんがり焼かず、表面が少し薄い黄金色になったら取り出します。温めただし汁を器に入れ、三つ葉を浮かせて完成です。明石焼きをだし汁につけながら食べます。
明石焼きはたこ焼きのようにカリカリに焼きません。表面がうっすら固まった程度でOKです。中がとろとろの状態をキープするよう、短めの焼き時間を心がけましょう。
おすすめ道具・アイテム
1. たこ焼き器(電気プレート)
明石焼きにはたこ焼き器が必要です。家庭用電気プレートタイプは卓上で手軽に使えます。
明石焼きはたこ焼きより少し大きめに作ることが多いため、穴径が40mm以上の鉄板が向いています。穴径が小さいと中がとろとろになりにくいことがあります。
2. じん粉(浮き粉)
明石焼き独特のふわとろ食感を出すためのじん粉は、通販でも購入できます。
浮き粉は湿気に弱いため、開封後は密閉容器に入れて冷暗所で保存してください。吸湿するとダマになりやすくなります。
3. だし用昆布
明石焼きのだし汁には昆布だしが欠かせません。上質な昆布を使うと風味が豊かになります。
明石焼きには透き通った上品なだし汁が合います。日高昆布は手頃でだしが出やすく、初めてだしをとる方にもおすすめです。より濃いだしを求める方は真昆布や羅臼昆布が向いています。
よくある質問(FAQ)
Q: 地元では「明石焼き」と「玉子焼き」どちらが正しいですか?
A: 明石市民の間では「玉子焼き」が正式名称です。「明石焼き」は観光客向けや他地域での呼び名として普及しています。地元のお店では「玉子焼き」のメニュー表示が主流です。
明石市内、特にJR明石駅・山陽明石駅周辺の「魚の棚(うおんたな)商店街」周辺に名店が集中しています。明石観光の際はぜひ本場の玉子焼きを味わってみてください。
Q: たこ焼き器がなくても作れますか?
A: 専用のたこ焼き器がないと球状には作れません。ただし、生地をフライパンで薄く広げてオムレツ風に焼き、中にたこを入れる「なんちゃって明石焼き風」として楽しむことはできます。食感は異なりますが、だし汁につけて食べるスタイルは再現できます。
ミニパンケーキ型(シリコン型)やプリン型で代用する場合は、オーブン(180℃)で10〜12分焼く方法もあります。ただし食感や仕上がりは専用鉄板とは異なります。
Q: だし汁の代わりにポン酢を使ってもいいですか?
A: 昆布だし汁が本場スタイルですが、自家製ポン酢(柑橘果汁+醤油)につけて食べるアレンジも美味しいです。ただし塩分が高くなりやすいので薄めて使うか、つけすぎに注意しましょう。
だし汁に三つ葉(または小ねぎ)を浮かせると、見た目も美しく香りもアップします。明石焼きの彩りを添える大切な薬味です。関西の料理をもっと楽しみたい方は、howtocook.jpのたこ焼き・お好み焼きレシピも合わせてご覧ください。
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出典・参考
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情報の最終確認日: 2026年03月















