塩ラーメンの作り方|透き通った黄金スープのコツ
塩ラーメンは、醤油や味噌のような「色のつく調味料」を使わないぶん、スープの透明感がそのまま完成度に直結するラーメンです。澄んだ黄金色の清湯(チンタン)スープと、白醤油×昆布水で仕上げた繊細な塩タレ。シンプルに見えて、実は素材の扱いかたに職人の技が詰まっています。
本記事では鶏ガラの下処理→弱火煮込みによる透明スープ→塩タレの作り方→鶏油で仕上げる盛り付けまで、家庭で再現できるレベルで順を追って解説します。調理時間は約1時間半(うちスープ煮込みが1時間)。本格的でありながら、それほど難しくない難易度★★の一杯です。
- 清湯スープが白濁しない「弱火の法則」と鶏ガラ下処理の手順
- 白醤油×昆布水で作る黄金比の塩タレ(塩ラーメンのかえし)
- 仕上げの鶏油(チーユ)でプロの香りを出すコツ
- 2人前の全材料リストと作り方の全手順
- 塩ラーメンに関するよくある質問(FAQ)
塩ラーメンとは(清湯スープの特徴)
塩ラーメンは塩(えん)味のタレ(塩ダレ)を使ったラーメンの総称です。4大スープ(塩・醤油・味噌・豚骨)のなかで最も歴史が古く、函館が発祥の地とされています。特徴は何といっても透き通った澄んだスープ。鶏ガラや野菜を弱火でじっくり煮出した清湯(チンタン)スープは、雑味がなく、食材本来のうまみが繊細に重なります。
スープの美しさを左右するのが「沸騰させない」という原則です。強火にするとタンパク質が乳化して白濁し、見た目も味わいも変わってしまいます。80〜90℃をキープする弱火調理が、黄金色の透明感を生む決め手です。
※ 本記事で紹介するスープのベースは、北海道・函館スタイルを参考にした家庭向けアレンジです。
材料一覧(2人前)
清湯スープ用
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| 食材 | 分量 | 備考 |
|---|---|---|
| 鶏ガラ | 1羽分(約300g) | スーパーの精肉コーナーで購入可 |
| 水 | 1,500ml | 仕上がり約800ml(2杯分) |
| 長ねぎ(青い部分) | 1本分 | 臭み消し |
| しょうが | 1かけ(薄切り3枚) | 皮ごとでOK |
| にんにく | 1かけ(つぶす) | 香り付け、入れすぎ注意 |
| 酒 | 大さじ2 | 臭み消し・うまみ補強 |
塩タレ用
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| 食材・調味料 | 分量 | 備考 |
|---|---|---|
| 昆布水 | 100ml | 昆布5g+水100ml を一晩水出し |
| 白醤油 | 大さじ1.5 | 薄口醤油でも可(色づきあり) |
| みりん | 大さじ1 | 加熱してアルコールを飛ばす |
| 酒 | 大さじ1 | 加熱してアルコールを飛ばす |
| 塩(天然塩) | 小さじ1弱 | スープの塩分で調整、最後に確認 |
仕上げ・トッピング
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| 食材 | 分量 | 備考 |
|---|---|---|
| 中華麺(細麺) | 2玉 | 生麺または乾麺 |
| 鶏油(チーユ) | 小さじ2(各丼に1ずつ) | 仕上げの香り付け。ごま油でも可 |
| チャーシュー(薄切り) | 4〜6枚 | 市販品でも可 |
| メンマ | 適量 | 市販品の水煮でOK |
| 長ねぎ(白い部分) | 1/2本(薄い斜め切り) | 水にさらして辛みを抜く |
| 味玉(半熟煮卵) | 2個(お好みで) | 前日に仕込んでおくと◎ |
| 海苔 | 2〜4枚 | 焼き海苔 or 全形半分にカット |
清湯スープの作り方
清湯スープの核心は「沸騰させずに80〜90℃を保つ弱火煮込み」です。強火にすると、鶏のタンパク質が細かく砕けて油脂と乳化し、スープが一気に白濁します。透明感を保つためには、終始ふつふつとした穏やかな対流をキープすることが不可欠です。
ステップ1: 鶏ガラの下処理(血抜き・湯通し)
鶏ガラをボウルに入れ、流水で内臓の残り・血の塊・脂肪の固まりを丁寧に洗い流します。続いて鍋に鶏ガラとたっぷりの水を入れ、強火にかけます。沸騰したらそのまま3〜5分ゆでてアクを出し切り、ざるに上げて流水でしっかりと洗い流してください。
この「下ゆで→水洗い」が、透き通ったスープを実現する最初の関門です。血の塊や余分な脂肪をここで取り除いておくことで、本煮込みでのアク発生量が劇的に減ります。
鶏ガラを割って関節部分を開くと、内側に詰まった血や骨髄液もしっかり洗い流せます。スーパーで購入した鶏ガラは包丁の背で軽く叩いてから洗うと、煮出し効率も上がります。
ステップ2: 弱火でじっくり煮込む(60〜90分)
下処理を終えた鶏ガラを鍋に戻し、水1,500ml・長ねぎの青い部分・しょうが・にんにく・酒を加えます。中火にかけて沸直前になったら必ず弱火に落とし、表面がふつふつする程度(80〜90℃)を維持しながら60〜90分煮込みます。
煮込み中は蓋をせず、浮いてきたアクをこまめにすくい取ります。水位が下がってきたら差し水を少量加えてください。あくまで穏やかな対流を保つことが大切で、ぐつぐつと大きく沸騰させないよう火加減に注意しましょう。
沸騰させすぎると鶏のコラーゲンとタンパク質が乳化して白濁します。一度濁ると元に戻せません。火加減は「ふつふつ、ちょろちょろ」と覚えておきましょう。
ステップ3: 漉してスープを仕上げる
60〜90分煮込んだら火を止め、ざる+キッチンペーパー(またはさらし布)で静かに漉します。無理に押さえつけると濁りが出るので、自重で自然に落ちるのを待ちましょう。仕上がり量の目安は約800ml(2杯分)です。
漉したスープは黄みがかった美しい琥珀色になっているはずです。清湯スープは冷蔵庫で2〜3日保存でき、翌日以降も美味しく使えます。
清湯スープは手間がかかるので、まとめて鶏ガラ2〜3羽分(水3L)で作るのがおすすめです。漉した後に小分けして冷凍すれば、次回からは解凍するだけで使えます。
塩タレの昆布水には、上品な甘みとクリアなだしが出る真昆布がおすすめです。塩ラーメンのデリケートなスープに雑味なくとけ込みます。
塩タレの作り方
塩ラーメンのタレ(塩ダレ)は、スープと同じかそれ以上に完成度を左右します。醤油ラーメンのような「醤油の色と香り」がない分、素材のうまみと塩のミネラル感がダイレクトに伝わるからです。
ここでは白醤油×昆布水を軸にした家庭向け黄金比レシピを紹介します。白醤油は色が淡く、スープの透明感を損ないません。昆布の上品なグルタミン酸うまみが、塩ダレ全体にまろやかな奥行きを与えます。
昆布水の準備(前日から)
昆布5gを水100mlに漬け、冷蔵庫で一晩(8〜10時間)置いておきます。熱を使わない水出しのため、昆布のぬめりや苦みが出にくく、クリアなだしになります。使う直前に昆布を取り出して完成です。
真昆布は甘みとクリアなだし、羅臼昆布は濃厚なうまみが特徴です。塩ラーメンのような繊細なスープには、雑味が少なく色もきれいな真昆布が最適です。利尻昆布も澄んだだしが取れるため、好みで選んでください。
塩タレの合わせ方
小鍋に昆布水100ml・みりん大さじ1・酒大さじ1を入れ、弱火にかけます。沸直前になったら白醤油大さじ1.5を加え、ひと呼吸おいて火を止めます。粗熱が取れたら天然塩で味を調えてください。
塩タレの塩分はスープの状態によって調整が必要です。丼にタレを大さじ1.5〜2ほど入れ、スープを注いで味見しながら加減するのが確実です。塩ラーメンは醤油ラーメンに比べて塩味をダイレクトに感じるため、入れすぎに注意しましょう。
タレは一度に多めに作っておくと便利です。密閉容器に入れて冷蔵保存すれば1週間程度使えます。インスタント麺の仕上げに少量加えても、グッとお店の味に近づきます。
盛り付けと仕上げ
スープ・タレ・麺が揃ったら、最後の仕上げが塩ラーメンを「ただの塩味スープ麺」から「本格清湯ラーメン」に変える重要な工程です。
麺をゆでる
中華麺(細麺)は袋の表示より10〜15秒短めにゆで、やや固めに仕上げます。スープに入れてから余熱で柔らかくなるため、ゆですぎると食べ頃にはふやけてしまいます。ゆで上がった麺はざるで水気をよく切り、すぐにスープに入れてください。
麺のゆで汁にはデンプンが大量に溶け込んでいます。スープに混入するとにごりやとろみが出てせっかくの清湯が台無しになります。必ず水気をきってから丼へ移しましょう。
丼の組み立てと鶏油の仕上げ
温めた丼に塩タレ大さじ1.5〜2を入れ、熱いスープを静かに注ぎます。麺を入れてトッピング(チャーシュー・メンマ・ネギ・味玉・海苔)を盛り付けたら、最後に鶏油(チーユ)を小さじ1ほど垂らします。
鶏油は鶏の皮や脂肪から抽出された香味油で、塩ラーメンに欠かせない仕上げの香りです。食欲をそそる芳醇な鶏の風味が、澄んだスープの上にふわりと漂います。ごま油でも代用できますが、香りの方向性がやや変わります。
冷えた丼にスープを注ぐと温度が下がり、せっかくの風味が損なわれます。麺をゆでる前に丼にお湯を入れて1〜2分温めておき、スープを注ぐ直前に捨てる習慣をつけましょう。
鶏皮をじっくり加熱して抽出した本格鶏油に、ねぎ・しょうが・ごま油を加えた香味豊かな製品。カップ麺に1滴で激変するとレビューで話題。塩ラーメンはもちろん、チャーハンや中華スープにも使えます。
よくある質問(FAQ)
Q: 鶏ガラが手に入らない場合、代用できるものはありますか?
A: 手羽元や手羽先でも同様の清湯スープが作れます。手羽元は肉付きが多いので、よりコクのあるスープになります。ただしそのままでは脂が多く出るため、下ゆで後の水洗いをしっかり行ってください。市販の鶏ガラスープの素(顆粒タイプ)を湯で溶いたものを使う場合は、昆布水や鶏油など他の要素でうまみと香りを補うのがポイントです。
Q: スープが濁ってしまいました。どうすれば透明になりますか?
A: 一度白濁したスープを透明に戻すことは基本的にできません。白濁の主な原因は「沸騰させすぎ」と「下処理不足」です。次回は下ゆでをしっかり行い、本煮込みは終始弱火(80〜90℃)を維持してください。濁ったスープは捨てずに、担々麺や味噌ラーメンのベースとして活用できます。
Q: 白醤油が手に入らない場合の代替品は?
A: 薄口醤油(うすくちしょうゆ)が最も近い代用品です。白醤油よりやや色がつきますが、スープ全体の透明感への影響は少なく、味わいも近い仕上がりになります。普通の濃口醤油を使うと色が濃くなり「醤油ラーメン」の見た目に近づくため、塩ラーメンらしさを出したい場合は薄口醤油を選んでください。
Q: 鶏油の手作り方法を教えてください。
A: 鶏の皮(手羽元や鶏もも肉の皮)200〜300gを小鍋に入れ、水大さじ2を加えて弱火にかけます。10〜15分かけて皮の脂肪をゆっくり溶かし出し、皮が狐色になったら漉して完成です。ねぎの青い部分としょうがを一緒に入れると、香味がついてさらに風味豊かになります。冷蔵保存で1週間、冷凍で1か月保存できます。
おすすめアイテム
1. 鶏油(チーユ)270g
鶏皮をじっくり加熱して抽出した本格鶏油に、ねぎ・しょうが・ごま油を加えた万能香味油。塩ラーメンの仕上げに欠かせない一品。炒飯やスープにも活用できます。価格帯: 1,000円台〜
2. 真昆布 100g(北海道道南産・天然物)
羅臼昆布・利尻昆布と並ぶ「三大だし昆布」のひとつ。上品な甘みとクリアな色合いが塩ラーメンの繊細なスープに最適です。昆布水(水出し)にも煮出しにも使えます。価格帯: 1,000円台〜
3. ラーメン鉢(朱巻龍・美濃焼)
昔ながらのラーメン鉢デザインで、清湯の黄金色スープが映える白地に朱の龍柄。国産美濃焼で食洗機対応。透明感のある塩ラーメンを美しく盛り付けるなら、器にもこだわりたいところ。価格帯: 1,000円台〜
関連レシピ・ピラー記事
塩・醤油・味噌・家系・家二郎・担々麺など11種類のおうちラーメンを比較表で解説。どの種類から始めるか迷ったら、まずこちらをご覧ください。
→ おうちラーメン完全ガイド|11種類の特徴と作り方まとめ
HowToCook.jpには、シェフたちによる本格塩ラーメンのレシピ動画も多数掲載しています。
- 究極の塩ラーメン(リュウジのバズレシピ) — 市販の食材でここまで本格的に
- 冷やし塩ラーメン(だれウマ) — 暑い季節にぴったりの夏バージョン
また、塩ラーメンのトッピングを充実させたい方には、以下の関連記事もおすすめです。
- 自家製チャーシューの作り方 — 豚バラ・肩ロース部位別レシピ
- 味玉(半熟煮卵)の作り方 — ラーメン屋のとろとろ卵を自宅で再現
レシピについて: 本記事で紹介する材料・分量・手順は、一般的な塩ラーメンの調理技法(清湯スープの取り方・塩ダレの合わせ方)を参考に、編集部が家庭向けにアレンジして独自にまとめたものです。特定の店舗・シェフの公式レシピではありません。
塩ラーメンに合うおすすめレシピ
HowToCook.jpには塩ラーメンと相性の良いレシピがたくさんあります。
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出典・参考
- あっさり系「鶏の清湯ラーメンスープ」の作り方 — COOKPIT(業務用ラーメンスープ専門メーカー)
- ラーメンスープの種類・作り方・選び方完全ガイド — COOKPIT
- ラーメンの白しょうゆタレの作り方 — ラーメンクック(ラーメン専門情報サイト)
- 醤油・味噌・塩ラーメンのかえしの作り方 — 小林食品(和食のうまみ)
- 鶏ガラと塩で作るシンプルラーメン — 料理通信
- 白だしで!鶏ねぎ塩ラーメン — キッコーマン ホームクッキング
情報の最終確認日: 2026年02月

