基本の三枚おろし手順

魚を一尾まるごと買ってきたものの、「どこに包丁を入れればいいかわからない」「骨のそばで刃が止まってしまう」「せっかくの身がボロボロになった」——そんな経験はありませんか?三枚おろしは一見難しそうに見えますが、実は手順さえ正しく覚えれば初心者でも必ずできるようになる技術です。

三枚おろしをマスターすると、スーパーで一尾丸ごと買うほうが切り身より格段に安く済み、新鮮さもぐっと上がります。また、刺身・塩焼き・煮付け・フライなど、あらゆる魚料理へ応用できます。この記事では、アジを例に基本の手順をステップごとに丁寧に解説し、さば・鯛など魚種別のコツも紹介します。

💡 この記事で分かること:
・三枚おろしの基本5ステップ(うろこ取り→頭落とし→内臓除去→片身→もう片身)
・アジ・さば・鯛など魚種別のさばき方のポイント
・初心者がやりがちな失敗とその対処法(FAQ)
・あると便利なおすすめ道具3選(出刃包丁・うろこ取り・骨抜き)

基本の三枚おろし手順

三枚おろしとは、魚の身を「上身(かみみ)・下身(しもみ)・中骨」の三枚に分ける基本のさばき方です。ほぼすべての魚に応用できます。まずはアジでマスターするのがおすすめです。アジはサイズが手頃で骨の位置もわかりやすく、初心者の練習に最適な魚です。

三枚おろしの包丁の入れ方(上から見た図)

中骨

1 頭を落とす

2 腹側から包丁を入れる

3 背側から包丁を入れる

4 中骨を外す

完成:3枚に分かれる 上身 中骨 下身 + + ※裏返して同様に繰り返す

図:三枚おろしの包丁の入れ方(上から見た図)

ステップ作業内容所要時間(目安)
ステップ1うろこを取る1〜2分
ステップ2頭を落とす30秒
ステップ3内臓を取り出し、腹を洗う1〜2分
ステップ4片身(上身)をおろす2〜3分
ステップ5もう片身(下身)をおろす1〜2分

ステップ1:うろこを取る

魚を水でさっと洗い、まな板に置きます。うろこ取りの器具(なければ包丁の背)を使い、尾から頭方向に向けてこするようにうろこをはがします。アジの場合はとくに尾の付け根にある「ぜいご(稜鱗)」と呼ばれる硬いとげ状のうろこがあるので、尾に向かって包丁を滑らせてそぎ落としておきます。

うろこが飛び散りやすいので、シンクの中や新聞紙の上で作業するとあと片付けが楽です。全体をよく触ってうろこが残っていないか確認したら、水で流します。

💡 ポイント: アジのぜいごは必ず先に取り除きましょう。後回しにすると、おろす際に包丁が引っかかって身が崩れる原因になります。包丁を寝かせ、尾から頭方向にスーッと一気に動かすとうまく取れます。

魚種別のうろこのコツ

  • アジ:うろこは細かく取れやすい。ぜいご(側線上の硬いとげ)の除去を忘れずに。
  • さば:うろこはほぼなく、ぬめりが多め。塩で軽くこすってから流水で洗い落とす。
  • :うろこが大きくて硬く、飛び散りやすい。ビニール袋の中でうろこ取りをすると便利。

ステップ2:頭を落とす

魚の頭を左側にして置きます。胸びれの付け根に包丁を斜めに当て、えらぶたの後ろに沿わせるように一気に切り落とします。出刃包丁を使えば、小型の魚(アジ・さばなど)なら一度で切り落とせます。大きな鯛の場合は背骨が太いので、背側から入れた後、腹側からも切り込んで骨を断ちます。

⚠️ 注意: えらの中には鋭い骨があります。素手で触ると手を切ることがあるので、えらを取り除く際はキッチンペーパーを使うか、作業後はすぐに廃棄しましょう。えらを一緒に残したまま内臓処理に進むと臭みの原因になります。

魚種別の注意点

  • アジ:頭は小さく柔らかいので、1〜2回の包丁で切り落とせる。
  • さば:骨がやや太め。包丁の根元(刃元)を使って体重をかけると切りやすい。
  • :背骨が非常に太い。無理に一度で切ろうとせず、表裏から2回に分けて断つ。

ステップ3:内臓を取り出し、腹を洗う

頭を落とした切り口から、包丁の先を腹に向けて浅く入れ、肛門まで一直線に切り開きます。このとき刃を深く入れすぎると内臓を傷つけてしまうので、刃先だけを使ってそっと引くように切るのがコツです。内臓を取り出したら、背骨の内側に沿って赤黒い血合いの膜があるので、指の爪や包丁の先でこそぎ取ります。流水でよく洗い、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。

⚠️ 注意: 内臓(とくに苦玉=胆嚢)を傷つけると、苦い汁が身にしみついて風味が大幅に落ちます。腹に包丁を入れるときは必ず「浅く・ゆっくり」を意識してください。

💡 ポイント: 血合いの膜を取り除くことが臭みを消す最大のポイントです。洗った後は水気が残っていると傷みやすくなるため、キッチンペーパーでしっかり押さえて拭き取りましょう。

ステップ4:片身(上身)をおろす

魚の背を手前に向けて置きます。まず背びれのすぐ上に包丁を寝かせるように入れ、頭側から尾側へ向けて中骨の上を滑らせるように浅く切り込みます(背から入れる方法)。次に魚を裏返し(腹を手前に)、今度は腹側から同様に中骨に沿って切り込みます。最後に尾の付け根に包丁を貫通させ、頭方向に向けて2〜3回に分けて中骨から身を外します。

包丁を動かすときは「中骨に刃先が当たるカリカリという感覚」を感じながら進めるのがコツです。この感覚があれば、中骨に沿って無駄なく身を取れています。

💡 ポイント: 包丁は前後に引くのではなく、「尾から頭方向へ一方向に引く」イメージで動かすと身が崩れにくくなります。力任せに押し込まず、包丁の自重を利用して滑らせましょう。

魚種別のおろし方のコツ

  • アジ:「腹から入れて背へ、裏返して背から腹へ」という順序が一般的。骨が細く初心者向け。
  • さば:身が柔らかく崩れやすいため、なるべく一度に引く。骨の位置がわかりやすい。
  • :身が厚く骨が太い。包丁を寝かせて中骨に密着させることが特に重要。

ステップ5:もう片身(下身)をおろす

中骨が付いたまま残った半身(下身)を、今度は皮面を上にして置きます(中骨が下)。ステップ4と同じ要領で、背側と腹側から中骨に沿って切り込み、中骨から身を外します。これで上身・下身・中骨の「三枚」に分かれます。

おろした身には腹骨(ふなぼね)が残っているので、包丁を寝かせて腹骨ごとそぎ落とします。さらに、血合い骨(縦に走る小骨)が気になる場合は骨抜きピンセットで一本ずつ抜きます。指で身をなでると骨の位置がわかります。

⚠️ 注意: 下身は中骨が下にあるため、最初は骨の位置が感覚としてつかみにくいことがあります。無理に一気にはがそうとせず、「骨が透けて見える線」を目印にゆっくり進めましょう。急ぐと身を骨に残してしまいます。

よくある質問(FAQ)

Q: 三枚おろしに適した包丁はどれですか?

魚をさばくには出刃包丁が最適です。刃が厚く重さがあるため、骨を断つ作業に向いています。家庭で最初に買うなら刃渡り150mm〜165mmの「小出刃」または「中出刃」が使い勝手よくおすすめです。三徳包丁でもアジやさば程度の小型魚はおろせますが、骨を断つ際に刃が傷みやすいため、よく魚をさばく場合は出刃包丁を1本用意しておくと便利です。

💡 ポイント: 包丁の切れ味が悪いと身が押しつぶされて崩れる原因になります。定期的に砥石や包丁研ぎ器でメンテナンスすることが、きれいな三枚おろしへの近道です。

Q: 身がボロボロになってしまうのはなぜですか?

身が崩れる主な原因は3つです。①包丁の切れ味が悪い(研ぎ直しを)、②中骨から離れて刃が入っている(刃先を常に中骨に当てる感覚を意識する)、③力を入れすぎている(包丁は引くだけで切れるのが理想)。また、さばのように身が柔らかい魚は鮮度が落ちると崩れやすくなるため、新鮮なうちに処理することも大切です。

⚠️ 注意: まな板が不安定な状態でさばくと余計な力が入り身が崩れやすくなります。まな板の下に濡れたふきんを敷いて滑り止めにしましょう。また、魚が乾燥していると刃の滑りが悪くなるので、作業前に軽く水で湿らせると扱いやすくなります。

Q: 三枚おろしにした身はどのくらい保存できますか?

三枚おろしにした切り身は、空気に触れると急速に鮮度が落ちます。冷蔵保存の場合は当日〜翌日中を目安にしてください。保存するときはキッチンペーパーで水気をよく拭き取り、ラップで密着して包んでから保存袋へ。冷凍保存なら2〜3週間が目安です。冷凍する際は一枚ずつラップに包んでから袋に入れると、使いたい分だけ取り出せて便利です。

💡 ポイント: 冷蔵保存のコツは「余分な水分を残さないこと」。水気が残っていると菌が繁殖しやすくなり、臭みの原因にもなります。ラップで密着させて冷蔵庫のチルド室(0〜2℃)に入れると鮮度を長持ちさせられます。

おすすめアイテム

三枚おろしをもっと快適に、きれいにするために役立つアイテムを厳選しました。

出刃包丁 ― 貝印 関孫六 碧寿 ステンレス 150mm

魚のさばき方の入門として定番の150mm出刃包丁です。関孫六シリーズは日本製で鋼材の品質が高く、切れ味と耐久性のバランスが優秀です。ステンレス鋼は錆びにくく、はじめての出刃包丁として扱いやすい素材です。重さと厚みが骨を断つのに十分あり、アジ・さば・小型の鯛などを無理なくさばけます。

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うろこ取り ― 貝印 SELECT100 うろこ取り DH-3016

Amazonうろこ取りカテゴリで長年のベストセラー商品です。ギザギザの刃がうろこをしっかりとらえ、構造上うろこが飛び散りにくい設計になっています。日本製・食洗機対応で衛生的に使えます。包丁の背でうろこを取ろうとすると刃が傷む原因になるため、専用のうろこ取りを一本持っておくと包丁の寿命も伸びます。

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骨抜き ― 貝印 KAI KITCHEN ステンレス骨抜きピンセット DH8195

刺身や西京漬けなど、小骨が気になる料理には骨抜きピンセットが必須です。貝印の本製品は先端が斜めカットになっており、身に深く入り込む細い血合い骨も確実につかめます。日本製のステンレス鋼で錆びにくく、食洗機にも対応しています。指で身をなでて骨の位置を確認しながら、頭方向に向かって斜めに引き抜くときれいに抜けます。

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魚の三枚おろしを使ったおすすめレシピ

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出典・参考

情報の最終確認日: 2026年02月

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