コウケンテツ流 調理器具選びのポイント早見表
「良い道具を使いこなせる料理人になりたい」——料理研究家・コウケンテツさんがインタビューでくり返し語る言葉です。大阪出身のコウケンテツさんは、母でもある料理研究家・李映林さんのもとで料理を学び、現在は家庭料理のレシピを中心に雑誌・テレビ・YouTubeで幅広く活躍しています。韓国料理のエッセンスを日常の家庭料理に落とし込んだレシピは、3児の父でもある本人の「作った後の片付けまでが料理」という哲学が土台になっています。
もともとは「道具にこだわりなんてなかった」というコウさん。転機は職人さんへの取材機会が増えたこと。「職人さんが長年の仕事で培ってきた最高の技術や、代々受け継いできた伝統みたいなものを注ぎ込んだ道具はやっぱりすごい」と語っており、そこから道具への目線が一変しました。10年以上使い続けているマイヤーのフライパン、手打ち包丁工房の一本、ねこ柳のまな板……コウさんの台所には、試行錯誤の末に残ってきた道具が揃っています。
一方で、「料理研究家とは家庭料理のレシピを提案する仕事なので、一般の方が使っている道具でおいしくつくれないと意味がない」という信念も持っています。「日常使いの道具」と「ここぞのときの道具」を明確に使い分け、自分のライフスタイルに合わせて選ぶことを強調する姿勢は、初心者から料理上級者まで参考になります。この記事ではその哲学とカテゴリ別の選び方ポイントをまとめました。
- コウケンテツさんが語る「道具選びの哲学」——自分のライフスタイルに合わせることの大切さ
- カテゴリ別(フライパン・鍋・包丁・まな板・便利ツール)の選び方ポイント
- 「日常使い」と「特別使い」の道具を賢く使い分ける方法
- 初心者が最初に揃えるべきアイテムと予算目安
- コウケンテツさんが実際に愛用しているブランド・アイテムの一覧
コウケンテツ流 調理器具選びのポイント早見表
コウケンテツさんが実際に語った言葉や愛用品から、カテゴリごとの選び方ポイントを表にまとめました。
| カテゴリ | 選ぶポイント | コウケンテツのこだわり | 予算目安 |
|---|---|---|---|
| フライパン(日常用) | 軽さ・深さ・フッ素樹脂の耐久性 | マイヤー「ミッドナイト」を10年以上愛用。深めなので煮物にも使えて汎用性が高い | 5,000〜15,000円台 |
| フライパン(特別用) | 蓄熱性・鋳物ホーロー・見た目のテンション | バーミキュラ26cmを使用。「びっくりするくらいおいしく仕上がる」と絶賛。ビジュアルが気分を上げてくれる | 20,000〜35,000円台 |
| 鍋 | 蓄熱性・蓋の密閉度・思い入れ | STAUB楕円形(魚の煮込み・サムゲタン用)とバーミキュラを愛用。最初の良質な鍋「COUSANCES」は今も宝物 | 10,000〜40,000円台 |
| 包丁 | 重さのバランス・切れ味・手入れできるか | 手打ち刃物工房「おやま」の包丁を10年間手入れしながら愛用。「ほどよい重さで素材が気持ちよく切れる」 | 5,000〜30,000円台 |
| まな板 | 刃当たりのやわらかさ・削り直し対応 | ねこ柳のまな板を長年愛用。「刃当たりがやわらかく包丁を傷めない」。削り直しサービスで半永久的に使える | 3,000〜15,000円台 |
| おろし器 | 素材(金属より劣化しにくいセラミック)・洗いやすさ | ポーレックスのセラミックおろし器(大・小2種)を愛用。「金属に比べて劣化が少なく洗いやすい」 | 2,000〜5,000円台 |
| シリコーン調理スプーン | すくいやすさ・耐熱性・汎用性 | 無印良品のシリコーン調理スプーンを愛用。炒め・煮物・ご飯のよそいまで1本で対応できる万能ツール | 500〜1,500円台 |
| トング | 握りやすさ・ロック機能・食洗機対応 | OXOのトングを愛用。使いやすいグリップとロック機能で収納もスマート | 1,500〜3,000円台 |
カテゴリ別 選び方の詳細
フライパンの選び方(コウケンテツ流)
コウケンテツさんのフライパン哲学はシンプルです。「日常使いはフッ素樹脂の軽いもの、ここぞというときは鋳物や鉄を使う」という2本立て。毎日の料理が快適にできることを最優先にしつつ、特別な食事のときにテンションを上げてくれる道具も手元に置く——この考え方は、多くの家庭に応用できます。
日常用としてコウさんが10年以上愛用しているのが、マイヤー「ミッドナイト」シリーズ。フッ素樹脂加工で焦げ付きにくく、深めの設計なので炒め物だけでなく煮物にも使えます。ステンレスハンドルでオーブン対応な点も気に入っています。特別な日の肉焼きや魚のソテーには、バーミキュラの鋳物ホーロー製フライパン(26cm)を使用。蓄熱性が高く、食材の旨みを凝縮してくれます。
- フッ素樹脂なら洗いやすく日常使いに最適
- 深型フライパンは煮物・汁ものにも兼用できる
- マイヤーはオーブン対応でグリル料理にも活躍
- バーミキュラは鋳物の蓄熱でプロ並みの焼き目が出る
- フッ素樹脂は数年で再コーティングが必要になる
- バーミキュラは重さがあるため取り回しに慣れが必要
- 鋳物ホーローは急激な温度変化に弱いため空焚きNG
鍋の選び方
コウケンテツさんが鍋選びで最も大切にするのは「自分のライフスタイルとの相性」です。毎日使うものだからこそ、使いやすさと手入れのしやすさが大前提。その上で、蓄熱性や密閉性といった調理性能を見るべきだと語っています。
コウさんが愛用しているのは、魚の煮込みやサムゲタンに使うSTAUBの楕円形鍋と、蓋の密閉性が高いバーミキュラ。また、料理家として独立してから初めて買った「COUSANCES」(フランス製、現在廃盤)への思い入れは強く、「子供に引き継ぎたい」と語るほど。道具に長い時間をかけて愛着を持てるかどうかも、高品質な鍋を選ぶ理由のひとつです。
- 鋳物ホーロー鍋は無水調理・蒸し・煮込みに強い
- STAUBの楕円型は丸ごとの魚や鶏肉が入りやすい
- バーミキュラは蓋の密閉性が高く旨みを逃がしにくい
- 長く使えるため、コストパフォーマンスは実は高い
- 鋳物鍋は重量があり、腕や手首への負担がある
- 初期費用が高め(2〜4万円台が相場)
- 高温での空焚きや急冷は避ける必要がある
包丁・まな板の選び方
コウケンテツさんが現在愛用しているのは、手打ち刃物工房「おやま」の包丁。10年以上手入れをしながら使い続けており、「ほどよい重さで素材が気持ちよく切れる」と語っています。包丁は手の大きさや握り方との相性が大切なため、できれば持って確認できる実店舗での購入を推奨しています。
まな板はねこ柳(猫柳)材のものを長年愛用。ねこ柳は「刃当たりがやわらかく包丁を傷めない」のが最大の特徴で、削り直しサービスを利用することで半永久的に使えます。木製まな板は抗菌ケアが必要と思われがちですが、使用後すぐに洗って乾燥させる習慣をつけるだけで十分清潔に保てます。
- 木製まな板は刃当たりがやわらかく包丁の切れ味が長持ち
- 削り直しで新品同様に戻せる(産廃ゼロで長年使える)
- 手打ち包丁は職人の技が入り、切れ味と持ちが抜群
- 良い道具は料理へのモチベーションを高める効果もある
- 木製まな板は食洗機非対応のものが多い
- 手打ち包丁は価格が高め(2万円以上が多い)
- 包丁研ぎの知識・道具が別途必要になる
あると便利な調理ツール
コウケンテツさんの台所には、シンプルながらよく考えられた小道具が揃っています。なかでも無印良品の「シリコーン調理スプーン」は、炒め・煮物・ご飯のよそいとあらゆる場面で活躍するお気に入り。コチュジャンや味噌など、ボウルにくっつきやすい調味料もするっと取り出せます。
おろし器はポーレックスのセラミック製を愛用。金属製は時間が経つと酸化して金属臭がしてくることがありますが、セラミック製は劣化が少なく洗いやすい点が気に入っています。大根用の大サイズと薬味用の小サイズを使い分けており、韓国料理や和食に欠かせないツールです。また、OXOのロック付きトングは、調理中から盛り付けまで使えるほか、ロックして収納できるためキッチン周りをすっきり保てます。
- シリコーンスプーンは耐熱性が高く鍋を傷つけない
- セラミックおろし器は金属臭がなく食材本来の風味が活きる
- OXOトングはロック機能で収納しやすく衛生的
- いずれも食洗機対応(一部除く)で洗い物が楽
- セラミックおろし器は衝撃に弱く落とすと割れやすい
- シリコーン素材は油汚れが染み込むと落としにくいことも
初心者が最初に揃えるべきアイテム
コウケンテツさんは「まず自分のライフスタイルを見つめることが大事」と言います。一人暮らしで時短重視か、家族料理で作り置き重視かで最初に揃えるべき道具は変わります。ただ、どんなスタイルにも共通して推奨できる「スタートセット」は存在します。
最初は全部揃えようとしなくて大丈夫。まずフライパン(フッ素樹脂製・26cm前後)・包丁(ステンレス三徳)・まな板(樹脂製または木製)の3点を良いものに投資し、残りは徐々に追加していくのがコウさん流の考え方です。
- 最初から良い道具を使うと料理の上達が速くなる
- 段階的に揃えることで失敗なく道具を選べる
- フッ素樹脂フライパンは初心者でも焦げ付かせにくい
- 安すぎる道具は使い心地が悪くモチベーション低下の原因に
- 最初に全部揃えると収納スペースが足りなくなることも
フライパン(フッ素樹脂・26cm): 5,000〜15,000円台 + 三徳包丁(ステンレス): 5,000〜10,000円台 + まな板(樹脂または木製): 3,000〜8,000円台
合計: 13,000〜33,000円台 で基礎をしっかり揃えられます。
おすすめアイテムまとめ(Amazon製品カード)
コウケンテツさんの愛用品・選び方哲学を踏まえたおすすめアイテムをカード形式でまとめました。
マイヤー ミッドナイト フライパン 26cm(MNH-P26)
コウケンテツさんが10年以上愛用するフッ素樹脂フライパン。アルミニウム製で軽く、深めの設計で炒め物から煮物まで対応。IH・ガス両対応、ステンレスハンドルでオーブンにもそのまま入れられます。
バーミキュラ フライパン 26cm(鋳物ホーロー製)
コウケンテツさんが「びっくりするくらいおいしく仕上がる」と絶賛する日本製鋳物フライパン。高い蓄熱性で食材の旨みを凝縮。シーズニング不要で洗剤で丸洗い可。ガス・IH両対応。
STAUB ブレイザー ソテーパン 24cm
コウケンテツさんが魚の煮込みやサムゲタンに愛用する鋳物ホーロー鍋。浅型で使いやすく、蓋の凸凹が水分を均一に循環させる「自動バスティング」機能を持つ。IH対応。
ポーレックス セラミックおろし 大(BOL27001)
コウケンテツさんが愛用するセラミック製おろし器。「金属に比べて劣化が少なく洗いやすい」が選んだ理由。大根・にんじんのすりおろしに。金属臭がなく食材本来の風味を生かせる。
無印良品 シリコーン調理スプーン 約26cm
コウケンテツさんが日常的に愛用するシリコーン製スプーン。炒め物・煮物・ご飯のよそいまで1本で対応。コチュジャンや味噌などの粘度のある調味料もきれいにすくえる。耐熱性も高い。
OXO ロック付きステンレストング 小
コウケンテツさんが愛用するOXOのトング。握りやすいグリップと使用後のロック機能で収納もスマート。食洗機対応で衛生的。炒め物から盛り付けまで幅広く使える万能ツール。
コウケンテツさん愛用のフライパン・鍋を使って作れるレシピはこちらで紹介しています。
- 韓国料理レシピ一覧 — サムゲタン、チヂミ、ビビンバなどコウケンテツさんのお得意レシピ
- 鶏肉レシピ一覧 — バーミキュラのフライパンで映える鶏もも料理に最適
- HowToCook.jp トップ — YouTube動画つきレシピを手順書+タイムスタンプで紹介
出典
- 【コウケンテツさんの愛用キッチン道具5選】毎日ごはんの「おいしい」を支える相棒たち — LEE(集英社)
https://lee.hpplus.jp/column/2934448/ - 愛用フライパンとお鍋をご紹介!コウケンテツが実際に使っている暮らしまわりの良いもの — ココクラ
https://cococura.info/zakka_fashion/cococura210421/ - コウケンテツさん愛用フライパンや調理器具9選! — cotonabe.com
https://cotonabe.com/koh-kentetsu-kitchen-tools/ - バーミキュラ公式 — フライパン 製品詳細ページ(Vermicular)
https://www.vermicular.jp/products/fryingpan/ - コウケンテツ「料理道具のはなし」シリーズ — LEE(集英社)
https://lee.hpplus.jp/column/series/kohkentetsu/ - OXO(オクソー)公式 — シリコンスプーントング(小)製品ページ
https://www.oxojapan.com/products/cooking-baking-43/silicone-nylon-cooking-tools/9-tongs-with-silicone-heads-595/ - ジャパンポーレックス公式 — セラミックおろし器 製品ラインナップ
https://www.porlex.co.jp/lineup/oroshi.html
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情報の最終確認日: 2026年02月