自家製チャーシューの作り方|豚バラ・肩ロース部位別レシピ
ラーメンに乗せるチャーシューを自宅で作ると、好みの厚さ・味の濃さに仕上げられるうえ、煮汁をそのまま醤油ラーメンのかえしとして再利用できる——これが自家製チャーシュー最大の魅力です。市販品との違いは歴然で、一度自作するとやめられなくなります。
本記事では豚バラ・肩ロース・もも肉の部位別の特徴と調理法を比較表で整理し、基本の煮豚チャーシュー(豚バラ版・肩ロース版)を工程写真なしでも再現できるよう丁寧に解説します。さらにタレの活用法、保存期間の目安、安全のための加熱温度基準(中心温度75℃以上)も明記しています。
- 豚バラ・肩ロース・もも肉の部位別特徴と選び方
- 基本の煮豚チャーシュー(豚バラ版)の手順
- 脂少なめ派向け肩ロースチャーシューの作り方
- 煮汁タレの3通り活用法(ラーメンかえし・チャーシュー丼・炒飯)
- 冷蔵・冷凍での保存期間と解凍のコツ
- 豚肉の安全加熱基準(75℃・1分以上)
- よくある質問4問
チャーシューとは(煮豚vs焼豚・タレ再利用の魅力)
チャーシュー(叉焼)は本来、中国料理の焼豚を指す言葉です。日本のラーメン文化に根付いた「チャーシュー」は、しかし多くの場合煮豚に近いスタイル——醤油・みりん・砂糖などを合わせたタレで豚肉を煮込み、タレに漬けながら冷ます製法が主流です。
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| スタイル | 調理法 | 特徴 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 煮豚チャーシュー | タレで煮込んで漬ける | しっとり柔らか、タレを再利用できる | ★★☆ |
| 焼豚チャーシュー | たれに漬けてオーブンで焼く | 香ばしさがあり、食感やや固め | ★★☆ |
| 低温調理チャーシュー | 63〜68℃で数時間加熱 | 最もしっとり・ほろほろ、温度管理が必要 | ★★★ |
最大のポイントはタレの再利用です。豚肉を煮たタレには旨味が凝縮されており、そのまま醤油ラーメンの「かえし(濃縮醤油ダレ)」として使えます。市販のラーメンスープに数スプーン加えるだけで、一気にプロの味に近づきます。
最初は豚バラブロック300〜400gで試してみましょう。失敗しにくく、タレの量も無駄なく使えます。慣れてきたら500g〜1kgのブロックで大量に作り、小分け冷凍しておくと便利です。
部位の選び方 比較表
チャーシューに使う豚肉の部位によって、仕上がりの食感・脂のりが大きく変わります。どの部位を選ぶかが自家製チャーシューの完成度を左右します。
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| 部位 | 脂のり | 食感 | 価格帯 | おすすめラーメン | 初心者向き |
|---|---|---|---|---|---|
| 豚バラ(三枚肉) | 多め(脂層あり) | とろとろ・ジューシー | 200〜300円台/100g | 家二郎・家系・醤油 | ◎(最も失敗しにくい) |
| 肩ロース | 中程度(赤身多め) | しっとり・歯ごたえあり | 200〜350円台/100g | 塩・担々麺・つけ麺 | ○ |
| もも肉 | 少ない(赤身のみ) | 低カロリーだが硬くなりやすい | 150〜200円台/100g | あっさり系全般 | △(低温調理推奨) |
| ロース(背中側) | 少〜中(脂肪帽あり) | 柔らかく上品な味 | 250〜400円台/100g | 塩・醤油・あっさり系 | ○ |
| 鶏もも肉(応用) | 少ない | あっさり・ヘルシー志向 | 100〜150円台/100g | 塩・鶏白湯系 | ◎(調理時間も短い) |
もも肉は脂が少ないため、通常の煮込み法だと硬くパサつきやすくなります。63℃・3時間の低温調理(スロークッカーや低温調理器使用)が最も適しています。初めてチャーシューを作るなら豚バラか肩ロースを選んでください。
基本のチャーシュー(豚バラ版)
豚バラブロックは脂と赤身が層状に重なっており、煮込むことで脂が溶けだしてしっとりとろける食感に仕上がります。ラーメン屋のトッピングに近い、王道の「おうちチャーシュー」です。
材料(作りやすい量・豚バラ約400g)
下記の材料で、ラーメン4〜5杯分のチャーシューが作れます。
- 豚バラブロック … 400g(厚みのある塊肉)
- 醤油 … 大さじ4
- みりん … 大さじ3
- 酒 … 大さじ3
- 砂糖(または蜂蜜) … 大さじ1
- 生姜(スライス) … 2〜3枚
- 長ねぎの青い部分 … 1本分
- 水 … 400ml
豚バラブロックは煮ると縮んで形が崩れやすくなります。調理前にタコ糸(料理用綿糸)を5cm間隔で縛っておくと、スライスしたときに断面が均一に仕上がります。縛らなくても味は変わりませんが、見栄えを重視するなら一手間かけましょう。
ステップ1: 表面を焼き付ける
フライパンを中火で熱し、油なしで豚バラブロック全面をこんがり焼き付けます。全面に焼き色がつくまで約5〜7分かけてゆっくり転がしながら焼いてください。この工程で余分な脂が出るとともに、メイラード反応による香ばしさが加わります。
この段階では中まで火を通す必要はありません。表面に焼き色をつけることが目的です。焼き過ぎると後の煮込みで肉が硬くなります。
ステップ2: タレで煮込む(中心温度75℃以上を確認)
鍋に醤油・みりん・酒・砂糖・水・生姜・長ねぎを合わせ、焼いた豚バラブロックを入れます。沸騰したら弱火にして蓋を少しずらし、40〜50分煮込みます。途中で10分おきに豚肉を転がし、全体にタレが染みるようにしてください。
安全のための加熱確認: 煮込み終わりに、豚肉の最も厚い部分に竹串や料理用温度計を刺します。透明な肉汁が出てくれば火が通っているサインです。温度計があれば中心温度が75℃以上であることを確認してください(厚生労働省基準: 75℃・1分以上)。
より柔らかく仕上げたい場合は、低温調理器を使って63℃で4時間加熱する方法もあります。この場合も中心温度63℃で30分以上(または75℃で1分以上)の加熱が必要です。低温調理後はフライパンで表面を軽く炙ると香ばしさが加わります。
ステップ3: タレに漬けて冷ます
煮込んだ豚バラをタレごとジッパーバッグや保存容器に移し、常温で30分ほど置いてから冷蔵庫で一晩(8時間以上)漬けます。冷める過程でタレが肉の内部まで浸透し、味が深まります。翌日になるとさらに美味しくなります。
熱いまま冷蔵庫に入れると、冷蔵庫内の温度が上がり他の食材が傷む原因になります。鍋ごと流水につけて粗熱を取るか(約20〜30分)、室温で1時間以内に粗熱を取ってから冷蔵庫に入れましょう。夏場は特に注意が必要です。
豚肉の中心温度75℃を手軽に確認できる調理用温度計。チャーシューだけでなく揚げ物・菓子作りにも活躍します。
肩ロース版チャーシュー(脂少なめ好み向け)
豚バラほど脂っこくなく、しっかりとした赤身の旨味を楽しめるのが肩ロース版チャーシューの魅力です。担々麺・塩ラーメン・つけ麺など、あっさり系のラーメンに合わせるとスープとのバランスが取れます。
下準備: 筋切りで柔らかく仕上げる
肩ロースは部位によって筋や脂の入り方が不均一なため、そのまま煮込むと硬くなりやすい部分があります。下準備としてフォークで全面を30〜40回刺すか、包丁の背で全体を叩いて筋を断ちましょう。こうすることで煮込んだときにタレが浸透しやすくなり、仕上がりが格段に柔らかくなります。
肩ロースは不規則な形をしていることが多いため、タコ糸で巻いて円柱状に整えてから煮込むと、スライスしたときの断面が均一になります。100〜150gずつ小分けして巻くと、あとで必要な量だけ解凍しやすくなります。
調理: 豚バラとの違い
基本的な手順は豚バラ版と同じですが、肩ロース版では以下の点が異なります。
- 煮込み時間は35〜45分(バラより短め。赤身主体なので煮込みすぎると硬くなる)
- タレの砂糖を少し増やす(みりん大さじ3→大さじ4にしても◎)と脂の少なさを甘みが補う
- 冷蔵庫漬け込みを8時間以上にするとタレが赤身に浸透しやすい
肩ロースは豚バラより断面積が大きいため、中まで火が通るまで時間がかかる場合があります。竹串を刺して透明な肉汁が出るか、温度計で中心温度75℃以上を確認してから漬け込みに入ってください。
タレの活用法
チャーシューを作った後のタレは、捨てずにそのまま活用できます。旨味が凝縮された液体はラーメンだけでなく、さまざまな料理のベースになります。
醤油ラーメンの「かえし」として使う
チャーシューのタレはそのまま醤油ラーメンのかえし(濃縮タレ)として使えます。市販の鶏ガラスープや鶏白湯スープ300mlに対して、チャーシュータレを大さじ1〜2加えるだけで、コク深い醤油ラーメンスープが完成します。おうちで作るコラム記事に活用してください。
タレは冷まして清潔な瓶やジッパーバッグに移せば、冷蔵で2週間・冷凍で1ヶ月保存できます。週末にまとめてチャーシューを仕込み、タレを常備しておくと平日のラーメン作りが格段に楽になります。
チャーシュー丼にする
スライスしたチャーシューを温かいご飯の上に並べ、チャーシュータレを大さじ2〜3かけてネギと白ごまを散らせば、シンプルながら満足感の高いチャーシュー丼になります。味玉(半熟煮卵)をトッピングするとラーメン屋の丼飯に近い仕上がりになります。
チャーシュータレは醤油とみりんが濃縮されているため、そのままかけると塩分が高くなります。高血圧など塩分制限がある方は量を控えめにするか、出汁やお湯で薄めてから使用してください。
炒飯のベースタレにする
チャーシューの細切れや端材を炒飯に使う場合、チャーシュータレを小さじ1〜2加えることで味の奥行きが増します。醤油と砂糖・みりんの複雑な旨味が炒飯全体に広がり、普通の醤油炒飯とは一線を画す味わいになります。ご飯を炒め終わった後に回し入れ、手早く仕上げてください。
ご飯200g(茶碗1杯)に対してチャーシュータレ小さじ1〜1.5が目安です。加えすぎると甘みと塩気が強くなるため、最初は少量から試してください。チャーシューの端材は1cm角に切って加えると食感のアクセントになります。
保存方法と日持ち
自家製チャーシューは作り置きに向いており、正しく保存すれば数日〜1ヶ月間美味しく楽しめます。
冷蔵保存(3〜4日)
スライスしてラップでぴったり包み、密封容器に入れて冷蔵保存します。目安は3〜4日以内に使い切ること。タレと一緒に保存すると翌日以降さらに味がしみ込んで美味しくなります。食べる前に電子レンジで30秒ほど加熱するか、フライパンで軽く炙るとより美味しくなります。
チャーシューは温かいと崩れやすいため、冷蔵庫で十分に冷えた状態で薄くスライスしましょう。1〜2mm厚に均一にスライスできると、ラーメンに乗せたときの見た目が格段に良くなります。
冷凍保存(1ヶ月程度)
長期保存する場合は冷凍保存が最適です。1食分(2〜3枚)ずつラップで小分けし、冷凍用ジッパーバッグに入れて空気を抜いて冷凍します。保存期間の目安は約1ヶ月です。解凍は冷蔵庫で一晩かけるか、電子レンジの解凍モードを使用してください。
豚肉を使用したチャーシューを常温で長時間放置すると、食中毒の原因となる細菌が増殖します。調理後のチャーシューは粗熱が取れたら(1時間以内に)冷蔵庫または冷凍庫に入れてください。特に夏場(気温25℃以上)は1時間以上の常温放置は避けてください。
よくある質問(FAQ)
Q: チャーシューが硬くなってしまう原因は?
A: 主な原因は煮込み過ぎ・火が強すぎる・脂の少ない部位を使用の3つです。豚バラを使う場合は弱火でコトコト煮ることが基本で、グラグラ沸騰させると肉が収縮して硬くなります。肩ロースやもも肉を使う場合は、低温調理器で63〜65℃で調理することでパサつきを防げます。
Q: 醤油の代わりになる調味料はありますか?
A: 醤油の代わりにめんつゆ(2倍濃縮)を同量使うと、みりんや砂糖なしでも旨味のある仕上がりになります。塩分を控えたい場合は減塩醤油を使い、みりんや蜂蜜の量を少し増やすと風味を保ちながら塩分を減らせます。
Q: 豚肉に火が通ったか確認する方法は?
A: 最も確実な方法は料理用温度計で中心温度を測ることです(75℃以上が安全基準)。温度計がない場合は、最も太い部分に竹串を刺して透明な肉汁が出れば火が通っています。ピンク色や赤い肉汁が出る場合はさらに加熱が必要です。厚生労働省は豚肉の中心温度を75℃・1分以上加熱することを推奨しています。
豚肉・豚レバーの生食は法律で禁止されています(食品衛生法)。必ず中心部まで十分に加熱してください。低温調理の場合も「63℃・30分以上」または「75℃・1分以上」の加熱が必要です。
Q: タレを何度も使い回すことはできますか?
A: 2〜3回までは再利用できます。使用後のタレは必ず一度沸騰させてから冷まし、清潔な容器に入れて冷蔵保存してください。ただし、使うたびに旨味は増す一方で塩分も濃縮されるため、追加で水や酒を足して味を調整してください。1週間以上使わない場合は冷凍保存が安全です。
保存していたタレを再利用する際は、必ず一度沸騰させて殺菌してから使います。カビや異臭がある場合は迷わず廃棄してください。冷凍したタレは解凍後に一度沸騰させてから使用します。
おすすめアイテム
チャーシューをより美味しく・安全に作るためのアイテムを3つ紹介します。
日本国内シェアトップクラスの低温調理器。チャーシューを63〜68℃で数時間加熱することで、市販品をはるかに超えるとろとろ食感が実現します。Good Design Award 2021受賞。温度・時間をアプリで管理でき、放置調理が可能です。
価格帯: 1万円台〜 / コンパクト設計・IPX7防水
浅い鍋にも対応するクリップ式低温調理器。タッチパネル操作で温度・時間を設定するだけで、ほったらかしでプロ品質のチャーシューが作れます。IPX7防水でお手入れも簡単。BONIQ 2.0と比較してコスパ重視の選択肢です。
価格帯: 5,000円台〜 / 浅鍋対応・タッチパネル
菓子・製パン・煮物に対応したアナログ式温度計。チャーシューの中心温度確認だけでなく、揚げ物の油温管理・味玉作りの湯温管理にも使えます。シンプルな構造で壊れにくく、料理の安全確認に1本あると安心です。
価格帯: 1,000円台〜 / タニタ製・菓子・煮物対応
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- コラム一覧 — 料理の基本・冷凍テクニック・レシピ比較
チャーシューと相性の良いラーメンレシピをHowToCook.jpで探してみましょう。家二郎・家系・醤油ラーメンにはとろとろの豚バラチャーシューが、担々麺・塩ラーメンにはしっかりとした食感の肩ロースチャーシューがよく合います。
📝 レシピについて: 本記事のレシピは、一般的に知られている調理法・食材の組み合わせを元に、HowToCook.jp編集部が独自にまとめたものです。特定の料理人・料理研究家・飲食店の公式レシピではありません。各出典は調理技術・食品安全情報の参考として掲載しています。
出典・参考
- 【豚バラチャーシューレシピ】ゆでて漬けるだけ!簡単に本格的な味わいに|ニチレイフーズ ほほえみごはん
- 人気のやわらかチャーシューレシピ【パサつかないつくり方を教えます!】|キッコーマン ホームクッキング
- 豚肩ロース(ブロック)の簡単レシピ特集|キッコーマン ホームクッキング
- お肉はよく焼いて食べよう(中心温度75℃・1分以上の加熱基準)|厚生労働省
- お肉はしっかり火を通してから食べましょう|農林水産省
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情報の最終確認日: 2026年02月